愛が凍る瞬間

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ある日突然、私の愛が凍った。十二月の寒さのせいではない。恋人への愛が凍ったのではない。生きとし生けるもの全てへの愛が凍ったのだ。

道端に生える草にも路上で轢かれた猫のようなものにもなんの感情も湧かない。それどころか手を握っている男への愛情もない。

私の身体の力は抜けていき、視界は歪む。胸は苦しくなる、意識は朦朧とする。

ああ、なるほど。私は死ぬのだ。未練を残さないようにするために愛が凍る。これは自己防衛だ。愛はすっかり凍ってしまって身体の感覚も鈍ってしまったのに、なぜだか左手だけ温かい。

最後に目にした光景は、愛しかった彼の手を握る私の手だった。
恋愛
公開:18/12/26 02:23

chitohaka

恋愛ものしか書けないメンヘラ

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