光望

光と望はかけっこのライバルです
ある日、光が言いました
「決着をつけるぞ」
「のぞむところだ」
みずほやさくらは自分の目で勝敗を見ようと集まってきました
そのとき空からハヤブサが翼を広げて急降下
それを合図に那須野が叫びました
「よーいどん」
二人はハヤテのごとく駆け抜けます
「カッコイイ」
小町が呟くのも無理はありません

二人はゴールテープを切っても競争をやめませんでした
運動場を飛び出し、谷川を渡り、山へと向かいます
「負けるもんか」
声が山からこだまします
そして山彦となり返っていきます
空では先ほどのハヤブサと白鷹も応援しています

その時、浅間山の上から朱鷺が舞い降りました
「ひかり、のぞみ、もう十分。そのスピード世の中のために活かしてね」
二人はハッとして競争をやめました
そして東海道で仲良く暮らし始めました
2015年二人には子どもができました
子どもは輝と名付けられました