温かい飲み物

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「このバスはよく遅れるー」カコちゃんは口を尖らせながら白い息と共にはいた。
昨日学校で、『ちょっとプチデートしよう』とカコちゃんに言われワクワクしながらバスに乗ってショッピングモールへ来た。けど、結局妹へのクリスマスプレゼントを買うために付き合わされただけだった。
「疲れたー」僕はボソッと言った。
「ごめんね、付き合わせちゃって」
「いいよ、どうせ暇だし」
「温かい飲み物買ってくる!ここで待ってて」カコちゃんは20mほど先の自動販売機へ走っていく。

「はい。今日はありがとう」
渡された飲み物から温かさが伝わる。
「カコちゃんのは?」
「お金がね..ちょっと。大丈夫だよ、ジュンくんにはお礼してないし。でもちょっとだけ飲ませて?」と僕の温かい飲み物を飲んだ。返された飲み物はさっきより何十倍も温かい。
寒がりなカコちゃんは早くバス来てと言うけど、僕はバスが遅れることが嬉しかった。
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公開:18/12/23 19:32

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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