闇ある2人

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俺はホストをやっている。
源氏名はユウ。店ではなかなかの人気を誇っているが、これは別に名誉でも誇りでもない。
こんなもの、カモである女を悦ばせ、金を巻き上げるための手段でしかない。
俺が喜ばせたい女なんて、目の前にいる彼女だけだ。


「これ、やるよ。
クリスマスだからさ、俺からのプレゼント」


ぶっきらぼうに彼が渡してきたもの、それは小さなダイヤの埋まった指輪だった。普通に買ってもかなり高額なものだろう。


「わぁ〜!ありがとぉ!」


なんて、鼻にかけた甘ったるい声で喜んだフリをすれば彼は喜んでくれる。
男はみんなそうなの、キャバクラでオジサンを悦ばせることが仕事の私にはわかるのよ。
貴方に私は勿体ないの、誠実な貴方を失望させたくないのよ。


「いつまでも一緒にいような」


もう別れましょう、その思いを裏切るように彼の言葉が私の胸に突き刺さった。
恋愛
公開:18/12/24 20:53

べね( 千葉 )

私の作品を読んで頂きありがとうございます。

趣味でショートショートを書いています。
だいたい即席で書いているので、手直しする事が多々あります。
多忙のため更新頻度はとても低いです、ごめんなさい。
星新一さんや田丸雅智さん、堀真潮さんの作品に影響を受け、現実感のある非現実的な作品を書くのが好きです。
最後の1文字までお楽しみください。

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