古典だからねえ

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寄席の帰りにうどん屋があったので入った。
「一杯ください」
「あそこの機械で食券買って持ってきてもらえますか」
店主は慣れた様子でそう言った。
このまま店を出る事もできたのだが格好がつかないので私は食券を購入し店員に渡した。そう私はうどんを食べにきたのだ。腹が減っているのだ。私は腹を満たす目的にうどんを選んだだけなのだ。他に何があるもんか。ずるずる。ははっ、うま。
店内には悲しそうな悔しそうな顔をしてうどんを食べている客がたくさんいた。私の後に入ってきた客は食券販売機に金を入れながら「一つ、二つ、三つ・・・」とぶつぶつ言っている。店主はいつもの事といった顔でうどんを茹でている。
その他
公開:18/12/24 18:58

たくや

自由に楽しくやってます。

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