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蚊を仕留める代償に、こけしの頭が取れてしまった。こけしの目尻に付いた血と蚊の死骸を、ティッシュで拭ってやる。首が痒い。
「あまり掻いちゃいけませんよ、ご主人様」
さっきからこけしの頭がしゃべる。
「せっかくの機会ですから、わたくし違う胴にくっ付いてみたいです」
「たとえば?」
「はい、トイレットペーパーに」
「わからん」
「トイレットペーパーを縦に立てて、真ん中の芯のところに頭を乗せてください」
「で?」
「そしたらご主人様は紙を引きながら、よいではないかよいではな──」
「やめてもったいないから。うちのトイレットペーパーダブルだから」
「よいではないか……」
こけしがしょんぼり顔になる。
「どうせなら自分で動けるようにしたら? 足付けてやろうか」
「いえいえ、それには及びませんわ」
「なんで」
「ご主人様だって、万年お足がないでしょう?」
こけしがウインクしてみせた。
「あまり掻いちゃいけませんよ、ご主人様」
さっきからこけしの頭がしゃべる。
「せっかくの機会ですから、わたくし違う胴にくっ付いてみたいです」
「たとえば?」
「はい、トイレットペーパーに」
「わからん」
「トイレットペーパーを縦に立てて、真ん中の芯のところに頭を乗せてください」
「で?」
「そしたらご主人様は紙を引きながら、よいではないかよいではな──」
「やめてもったいないから。うちのトイレットペーパーダブルだから」
「よいではないか……」
こけしがしょんぼり顔になる。
「どうせなら自分で動けるようにしたら? 足付けてやろうか」
「いえいえ、それには及びませんわ」
「なんで」
「ご主人様だって、万年お足がないでしょう?」
こけしがウインクしてみせた。
ホラー
公開:18/12/24 18:08
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