小さなサンタ

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その日はとても寒かった。
起きてすぐにカーテンを開けると、真っ白な雪で地面が見えなくなっていて、視線を戻すと、枕元には綺麗にラッピングされたプレゼントが置いてあった。
一日早かったけれど、そんなものはどうでもよかった。


「すごい…僕のところにも、プレゼントが来たんだ…」


ワクワクしながら箱を開けると、中には木の実がたくさん入っていた。
木苺、松ぼっくり、小さなりんご…傍から見れば誰かの悪戯にしか見えないが、こんなに嬉しいプレゼントは初めてだった。


喜んでいただけましたか?


そう言わんばかりに不安げな顔を向けてくる顔が4つ。毎年僕を乗せたソリを引っ張ってくれる相棒たちだ。
毎年プレゼントを渡す立場の僕にも、普通の子供たちのようにプレゼントを貰って欲しかったのだろう。


「ありがとう、すごく嬉しいよ!」


僕は頬を赤く染め、彼らは立派な鼻を真っ赤にしながら喜びあった。
その他
公開:18/12/24 16:17
更新:18/12/24 16:33

べね( 千葉 )

私の作品を読んで頂きありがとうございます。

趣味でショートショートを書いています。
だいたい即席で書いているので、手直しする事が多々あります。
多忙のため更新頻度はとても低いです、ごめんなさい。
星新一さんや田丸雅智さん、堀真潮さんの作品に影響を受け、現実感のある非現実的な作品を書くのが好きです。
最後の1文字までお楽しみください。

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