ホストロイド

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押上博士の研究室に呼ばれた助手のヨーコさんは、目を丸くした。
博士の机の横のソファに、ホストの様な若い男性が座って、微笑む。
「彼と話をしてみてくれんか」 博士は白髪頭をかいて言う。
男性を見ていた彼女は聞く。「新しいアンドロイドですか...」
博士は頷いた。K大学のロボット工学の第一人者の博士は時々、人間型の作品を作り出す。
今度はホストか...。内心ヤレヤレと思ったが、彼女は彼と話を始めた。天気の話、ニュースの話題。
スーツ姿でイケメンの明るい青年には、妙なことに頭に「かんざし」が揺れている。
だがふいに彼は立って一礼すると、部屋を出てしまった。
「失敗作じゃ」博士は呟く。「あのかんざしは昆虫の“触覚”に当たるんじゃ。接触、気流、熱、音、気配を察知。“金づる”にならないと踏むと、すぐ反応してしまうようじゃ」
「はぁ?」ヨーコさんは声を荒げる。「博士、それ、ずいぶん壮大なセクハラです!」
SF
公開:18/12/24 10:05
更新:19/01/28 21:29
ホスト イケメン セクハラ

tamaonion( 千葉 )

雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。

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