家族保険

幼い頃から惜しみない愛情を注いでくれた両親が交通事故で亡くなった。
高校生の自分はまだ一人で生きていくには心許ないので、家族保険の適用を申請することにした。
家族保険とは、家族が病気や事故で亡くなった際に代わりの人が保障される保険のことである。入院時に一時的に代わりの人がくる入院保障付きのものもある。
「従来のお金の保障だけではカバーできない部分もカバーできる」
「入院中、家の事を気にせず治療に専念できる」
など肯定的な意見がある一方、
「亡くなった人の代わりなんていない」
などの否定的な意見も多い。

明日、「代わり」の両親としてやって来る二人は、上手くやっていけるだろうかと不安に思っていることだろう。その気持ちはよく分かる。10年前、交通事故で亡くなった息子の「代わり」としてこの家に来た当初は自分もそう思っていたのだから。