見た目も中身も

「よっ、あんまん」
「おっ、肉まん。今日蒸し器3回目じゃない？いいなぁ」
「お陰様で。この時期、回転よくってさ」
「俺なんかもう4時間くらい蒸し器にいるもん」
「でも一時に比べれば俺もここにいる時間長くなったよ。いろんな仲間が増えちゃったからさ」
「そうだよね。俺らもう50歳らしいよ」
「えー！早いなぁ。確かに50年も経つと仲間が増えるわ」
「話変わるけど俺さ、あのウサギちゃんに恋しちゃって」
「ウサギちゃん？あの見た目だけの可愛さで中身スカスカの？」
「中身スカスカって、失礼な！じゃ肉まんは誰がいいんだよ！」
「俺はスペシャル肉まんちゃんかな」
「ケッ、ただデカイだけでスペシャルって。『デカまん』でいいんじゃん」
「デカまん！だと」
「見た目が大事！」
「中身が大切！」
肉まんとあんまんは大げんか。
旧知の友カレーまんが「喜んで食べてくれればそれで十分なの！」と一括したのでした。