スリーピング本の虫
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どっちかと言えば、本は開くと眠くなるタイプ。
読むより喋る方が好きだった。友達は多い方だったかな、長い付き合いの人は少ないけど。だから大学の図書室も、普段行かない。せいぜい期末のレポートで参考文献引っ張るくらい。本は重たいし難しいし、雑誌かテレビ見れば良いじゃんって。
その普段行かない図書室の、奥の机。毎回ヌシみたいに居座ってる奴がいた。猫背で分厚いメガネかけて、如何にも根暗そうな奴。
隣りの椅子に座った鞄も、資料やら借りた本やら詰め込んで、たま~に窓とか、腕時計とか(革ベルトだよ、今時珍しい)チラ見する以外、飽きもせずページに没頭。
今頃の、雪がすごく積もった午後。
教授が来れなくて休講になって、寒い中帰るのもタルイし、温まろうと思って。
珍しく、寝てたのね。――眼鏡、危ないかなって。机に外して。
本、下敷きにしてたから。涎垂らしたらマズイよねって。
それが確か、彼とのきっかけだった。
読むより喋る方が好きだった。友達は多い方だったかな、長い付き合いの人は少ないけど。だから大学の図書室も、普段行かない。せいぜい期末のレポートで参考文献引っ張るくらい。本は重たいし難しいし、雑誌かテレビ見れば良いじゃんって。
その普段行かない図書室の、奥の机。毎回ヌシみたいに居座ってる奴がいた。猫背で分厚いメガネかけて、如何にも根暗そうな奴。
隣りの椅子に座った鞄も、資料やら借りた本やら詰め込んで、たま~に窓とか、腕時計とか(革ベルトだよ、今時珍しい)チラ見する以外、飽きもせずページに没頭。
今頃の、雪がすごく積もった午後。
教授が来れなくて休講になって、寒い中帰るのもタルイし、温まろうと思って。
珍しく、寝てたのね。――眼鏡、危ないかなって。机に外して。
本、下敷きにしてたから。涎垂らしたらマズイよねって。
それが確か、彼とのきっかけだった。
青春
公開:18/12/20 19:00
図書室のおとぎ話②
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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