噂
6
9
「○×さん、地方に転勤なんだって?」
「もう知ってるのか。昨日の辞令だぞ。女の噂は光よりも速い……とはよく言ったもんだ」
「なにそれ」
※※※
「あなた、昇進するんだって?」
「なんだ、それ。聞いてないぞ」
「噂よ。今夜はごちそう用意しとくね」
その日会社に行くと、辞令を言い渡された。俺は部長に昇進した。
※※※
「ねぇ。聞いたわよ。あなた」
「今度はなんだ」
「ガンで亡くなったあなたのお母さん、右足悪くしてたでしょ?」
「ああ。母さんが子供の頃からだって」
「それ、違うらしいわ」
「は?」
「お母さん、赤ちゃんのあなたが階段から落ちそうになった時、庇って自分が落ちたんだって。それで後遺症が」
「いいかげんなこと言うな!」
震える手で電話した。
「もしもし、親父? 実は……」
『よく知ってるなあ。誰にも話してないぞ』
電話を切る。
「どこで聞いたんだ?」
「どこでって……噂よ」
「もう知ってるのか。昨日の辞令だぞ。女の噂は光よりも速い……とはよく言ったもんだ」
「なにそれ」
※※※
「あなた、昇進するんだって?」
「なんだ、それ。聞いてないぞ」
「噂よ。今夜はごちそう用意しとくね」
その日会社に行くと、辞令を言い渡された。俺は部長に昇進した。
※※※
「ねぇ。聞いたわよ。あなた」
「今度はなんだ」
「ガンで亡くなったあなたのお母さん、右足悪くしてたでしょ?」
「ああ。母さんが子供の頃からだって」
「それ、違うらしいわ」
「は?」
「お母さん、赤ちゃんのあなたが階段から落ちそうになった時、庇って自分が落ちたんだって。それで後遺症が」
「いいかげんなこと言うな!」
震える手で電話した。
「もしもし、親父? 実は……」
『よく知ってるなあ。誰にも話してないぞ』
電話を切る。
「どこで聞いたんだ?」
「どこでって……噂よ」
SF
公開:18/12/20 08:40
マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。
100 サクラ
ログインするとコメントを投稿できます