ブラックサンタ

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「サンタさん。もう限界です!」
「なんだ、トナカイ」
「毎年、夜を飛び回る僕らのこと考えたことありますか? お父さんは去年、疲労骨折したんですよ」
「だから、労災認めただろう。ワシだって、ソリを降りて走り回るんだぞ。忍者かワシは」
「とにかく、業務改善してくれないなら、今年は飛びません!」

数日後

「サンタさん! このチラシ、見てください」
「なになに……『人材不足のあなたを救う! 月光で映るあなたの影を動かします。ーーあなた、自分の仕事してますか? 夢遊会社月天』……いいじゃん!」
「でしょ」
「ワシはソリに乗ってるだけで、月影が全部やってくれるんだな」

24日の夜

「よし、順調だな。地上でワシの影が走り回っとる。警官に見つからなきゃいいが」
「顔がないからばれませんよ」
「まあ、そうか……… ああ、いかん!」
「どうしました?」
「川に映ったブラックサンタが溺れとる!」
青春
公開:18/12/21 13:30
更新:18/12/21 14:13

イチフジ( 地球 )

マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。

100 サクラ

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