追憶図書館
4
8
「私のアルバムを貸してください」
記憶を探すものだけが行き着く追憶図書館。
失われた10年間の記憶を求め、私はここに来た。
「貸し出したいのは山々だけれど、本に欠陥があるみたいなの。あなたの記憶を甦らせるどころか、記憶が無くなってしまうかもしれないわ」
「それでもいいんです、私は私の事を知りたいの」
仕方ないわね、と困りながらもアルバムを渡してくる司書さんにお礼を言い、早速ページを捲っていく。
だが、不思議なことにアルバムの写真には私以外に誰も写っていないのだ。それに何枚か剥がされた形跡が見られる。
そのままペラペラとページを捲っていこうとしたが、
「見ないで、全部忘れてね」
小さな女の子の声が聞こえてきた気がする。誰の声だかわからないが、写真の子だろうか。いや、そんなはずはない。このページに写真なんて無いじゃないか。
…ところで、私は一体何を探しに来たのだろう?
記憶を探すものだけが行き着く追憶図書館。
失われた10年間の記憶を求め、私はここに来た。
「貸し出したいのは山々だけれど、本に欠陥があるみたいなの。あなたの記憶を甦らせるどころか、記憶が無くなってしまうかもしれないわ」
「それでもいいんです、私は私の事を知りたいの」
仕方ないわね、と困りながらもアルバムを渡してくる司書さんにお礼を言い、早速ページを捲っていく。
だが、不思議なことにアルバムの写真には私以外に誰も写っていないのだ。それに何枚か剥がされた形跡が見られる。
そのままペラペラとページを捲っていこうとしたが、
「見ないで、全部忘れてね」
小さな女の子の声が聞こえてきた気がする。誰の声だかわからないが、写真の子だろうか。いや、そんなはずはない。このページに写真なんて無いじゃないか。
…ところで、私は一体何を探しに来たのだろう?
ミステリー・推理
公開:18/12/20 23:59
私の作品を読んで頂きありがとうございます。
趣味でショートショートを書いています。
だいたい即席で書いているので、手直しする事が多々あります。
多忙のため更新頻度はとても低いです、ごめんなさい。
星新一さんや田丸雅智さん、堀真潮さんの作品に影響を受け、現実感のある非現実的な作品を書くのが好きです。
最後の1文字までお楽しみください。
ログインするとコメントを投稿できます