ヒヤシンス
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「結婚して下さい」狭いアパートに座布団引いて2人で夜ご飯。もともと好奇心だけで生きているような私は、ここに長く留まるつもりはなかった。30歳までは周りに何を言われても好きに生きたい。30歳からは好きにさせてくれた両親に恩返しがしたい。そう思ってた。土地土地をめぐり、恋愛もその場所その場所で楽しんで。だけど今回の彼はそうじゃないって分かってたから、余計に言葉が返せなくて。なんとなく気まずい空気のまま彼は帰って。
「なんでこうなっちゃったんだろう」頭を抱えて呟いた私に、「いいのよ」と声がした。見ると窓辺のヒヤシンスがしゃべっていた。「そういう人ができたなら一緒にいなさい。幸せになりなさい」
花がしゃべるなんて怖い、気味悪い、そんなことは思わなくて、ただただ涙が流れた。
翌日娘から電話が来て、私はあぁやっぱりと思った。昨日娘と話した気がした。窓辺には娘と株分けしたヒヤシンスが綺麗に咲いていた。
「なんでこうなっちゃったんだろう」頭を抱えて呟いた私に、「いいのよ」と声がした。見ると窓辺のヒヤシンスがしゃべっていた。「そういう人ができたなら一緒にいなさい。幸せになりなさい」
花がしゃべるなんて怖い、気味悪い、そんなことは思わなくて、ただただ涙が流れた。
翌日娘から電話が来て、私はあぁやっぱりと思った。昨日娘と話した気がした。窓辺には娘と株分けしたヒヤシンスが綺麗に咲いていた。
その他
公開:18/12/12 23:19
更新:18/12/18 23:43
更新:18/12/18 23:43
自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。
110.泡顔
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