毛

折角のクリスマスということで、細長いグラスを二つテーブルに並べる。

ま、お酒は苦手なのだけれど、ジンジャーエールで気分だけでもね。

シュワシュワ―っとたちまち登っていく泡と共に、浮かびあがってきた髪の毛…って。

シクシク、いつの間にグラスに忍び込んだ。

そっとつまみだそうと指を近づけると、はじける炭酸と一緒にスルスルとかさを減らして逃げてゆく。

あれ、あれ、あれ、と追いかけていたら。

「ハハ、けっさく、なに遊ばれてるの！」

ちくせう、楽しそうで何よりです。