5
7
朽ち果てかけた郵便受けに、無造作に貼り付けてあった手書きの地図には、ここから四ブロック先の地点に×がつけてあり、「御用の際は、こちらまで」と書かれている。
私は×地点を目指し、線路沿いを雨に濡れながら歩いていく。白い柵からシロツメクサがはみ出していて、寒い。
×場所には、「売地」という看板が泥に没しかけており、貨車のような集合郵便受けが傾いていた。私は尻を泥で汚しながら104を開けてみた。
DM地層から一枚のメモが発掘できた。滲む万年筆の走り書きで「モッツァレラチーズ」と書かれている。
「タクシー!」
私は黄色いタクシーに体をねじ込んで、南下を指示した。
混雑する環状線を大きく迂回した所にある砂利の駐車場でタクシーを止め、運転手に「しばらく待っているように」と告げる。運転手には、私が被っていた帽子を、人質のように手渡した。
いつのまにか空は晴れ渡っていたが、すでに日没は近い。
私は×地点を目指し、線路沿いを雨に濡れながら歩いていく。白い柵からシロツメクサがはみ出していて、寒い。
×場所には、「売地」という看板が泥に没しかけており、貨車のような集合郵便受けが傾いていた。私は尻を泥で汚しながら104を開けてみた。
DM地層から一枚のメモが発掘できた。滲む万年筆の走り書きで「モッツァレラチーズ」と書かれている。
「タクシー!」
私は黄色いタクシーに体をねじ込んで、南下を指示した。
混雑する環状線を大きく迂回した所にある砂利の駐車場でタクシーを止め、運転手に「しばらく待っているように」と告げる。運転手には、私が被っていた帽子を、人質のように手渡した。
いつのまにか空は晴れ渡っていたが、すでに日没は近い。
その他
公開:18/12/18 11:10
更新:18/12/18 21:02
更新:18/12/18 21:02
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
ログインするとコメントを投稿できます