あたりまえの様に

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君が傷ついて泣きたい時
僕は雨になれたらいい
嗚咽も涙も流し尽くすまで
君の頬を叩き続けよう

君が勝利に酔う時は
僕は雲になれたらいい
輝く日差しを覆い隠して
行く手に苦い顔を垂れ込めよう

君が疲れて休みたがれば
僕は太陽になれたらいい
立ち上がる他に術のないよう
背中をじりじり焼き焦がそう

君が怒り憎しみを叫ぶなら
僕は風になれたらいい
燃え盛る炎もかき消すほど
冷たく厳しく吹きつけよう

嫌われてもいい
恨まれてもいい
一生解ってもらえなくていい
君の足元に踏みつけられたまま
かえりみられない影でいい

ただ あたりまえの様にそばにいて
僕なんか無視して悪態ついて
ぐんぐん先へ 先へ進んでいく君の
真っ直ぐな後ろ姿だけ見ていたいんだ
その他
公開:18/12/18 08:53
おとうさんの唄

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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