14
16
冬休み、久しぶりに父と2人で隣町にある母の実家を訪れた。
「もう中学生か。大きなったな」
祖父にはこの前も同じ事を言われた気がする。父は仏壇に飾られた母の写真に手を合わせた後、祖父に買い物を頼まれ、私を残して出掛けてしまった。
こたつに入ると祖母が私を見て微笑んだ。
「ホントにお母さんによう似とる」
それから、「そうや」と言って立ち上がり、隣の部屋から紺色の服を抱えて戻ってきた。
「お母さんの中学校の制服や。着てみんか」
袖を通すとサイズはピッタリだった。祖父と祖母が懐かしそうに目を細めた。
玄関で音がした。父が戻ってきたのだろう。
「お父さんに見せてやりまっし」
両親は幼馴染だったそうだから、父は私の姿を見て驚くに違いない。
居間の襖を開けた父は私を見て息を呑んだ。
「お母さんだと思った?」
「だら。お母さんのほうがもっと可愛かったわ」
その言葉にみんなが笑った。
笑いすぎて涙が溢れた。
「もう中学生か。大きなったな」
祖父にはこの前も同じ事を言われた気がする。父は仏壇に飾られた母の写真に手を合わせた後、祖父に買い物を頼まれ、私を残して出掛けてしまった。
こたつに入ると祖母が私を見て微笑んだ。
「ホントにお母さんによう似とる」
それから、「そうや」と言って立ち上がり、隣の部屋から紺色の服を抱えて戻ってきた。
「お母さんの中学校の制服や。着てみんか」
袖を通すとサイズはピッタリだった。祖父と祖母が懐かしそうに目を細めた。
玄関で音がした。父が戻ってきたのだろう。
「お父さんに見せてやりまっし」
両親は幼馴染だったそうだから、父は私の姿を見て驚くに違いない。
居間の襖を開けた父は私を見て息を呑んだ。
「お母さんだと思った?」
「だら。お母さんのほうがもっと可愛かったわ」
その言葉にみんなが笑った。
笑いすぎて涙が溢れた。
恋愛
公開:18/12/19 13:09
更新:18/12/19 23:37
更新:18/12/19 23:37
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
ログインするとコメントを投稿できます