非正規サンタクロース

16
21

小五の息子が寝静まったころ、高三の娘が口を開いた。
「パパ、ママ、話があるの」
私はパパと目配せをした。何かしら。
「高校を卒業したらサンタクロースになりたいの」
「お前、まだ信じてたのか」
「パパ、違うの。こういう求人があってね」
娘は契約サンタの募集要項を取り出した。
「今は煙突じゃなくてWi-Fiを使うから特別な資格はいらないの。私でもなれるのよ。そのかわり、もうクリスマスは一緒に過ごせないかもしれない」


「あっ」
翌年のクリスマス、私は今までと同じようにケーキを4等分にしてしまった。私の声を聞いて、息子が駆け寄ってきた。
「俺2つ食べていい?」
「ダメ。食べ過ぎよ」

その時、玄関から声がした。
「ただいま」
「あれ、ねーちゃん帰ってきた」
娘は苛立っていた。
「どうしたの」

「現場に出るサンタは定年後のオッサンばっかり!結局私の仕事はお茶汲みで今日も定時に帰されちゃった!」
その他
公開:18/12/19 12:23

ぱせりん( 関東 )

北海道出身です。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容