漫才師の憂鬱

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「パンパカパーン!」
「undoデース!」
「odnuデース!」
「二人合わせてundoodnu!」
パン、パン!
「今日もぎょうさんお客さん入ってまんなぁ」
「ほんまやねぇ」
「そういえば君『その影が追いたい』ちう、小説知ってるか?」
「何やねん、それ?」
「知らんのか自分、遅れとるのぉ」
「どんなんか、わてにも教せぇてぇな」
エヘンエヘンと咳をするundo。
「一見、ショートショートに見せかけた青春小説とも言われ、はたまたundoodnuの内宇宙を旅させるニューウェイブSFとも言われとる話題の作品集やね」
「ほほう、そら面白そうやね」
「ただ少し問題のある副作用があってなぁ」
「ちうと?」
「本来、一人しかおらん自己が、揺らぐちうこっちゃね」
「どういう事やねん?」
「わしらも、そろそろ一人の自己に戻る時期ちう事やね」
「ああ、そういう事ね⋯⋯」

ぼくらは目の前の鏡を叩き割った──。
ファンタジー
公開:18/12/19 10:21
その影が追いたい undoodnu祭り

渋谷獏( 東京 )

(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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