拗らせ拗ね毛

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この夏は露出が一番!夏に肌を見せるためにソープ付きシェイパーを買い、私は意気揚々と風呂場に向かった。
「よし、まずは臑毛を……」
その時、臑毛はハリネズミのようにトゲトゲとし、一寸のスキも見せようとしなかった。確かに剛毛ストレートな臑毛だったが、こんなに反抗心を剥き出しにしたことはなかった。
『そんな柔な刃物には負けない!』
「いや、だって必要ない毛じゃん」
『そんなこと、ない!』
臑毛は拗ねに拗ね、ついにとぐろを巻き出した。進化の過程で退化しつつある臑毛が見せた凄まじい反抗だった。
打つ手なし。かと思えば、一つの光明を見出した。
「じゃあさ、脱色して金髪にならない?キラキラして綺麗だよ」
いじいじと拗ねていた臑毛は、シュシュととぐろを解き、その艶やかな臑毛を露わにした。
こうして、毛を剃らない美が確立された。
SF
公開:18/12/15 00:41
毛祭りに乱入 しょーもない出来……

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
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『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

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