大切な１日の過ごし方

毎日毎日仕事仕事。残業休日出勤当たり前。
そんな俺の前にある日、死神が現れた。
「貴方の寿命は後１ヶ月です」
そう告げられた俺はその日に会社を辞めた。
家に帰り、妻と子供に旅行に行こうと笑いかけた。
「仕事は？」
「クビになった!」
苦笑いする妻。しかし退職金もあり、暫くは大丈夫だろうと納得してくれた。
こんな事態でも動じない妻に俺は感謝した。
仕事ばかりだった俺を父と呼んでくれる子供に感謝した。
俺はその日から多くの時間を家族と共に過ごした。

「約束の１カ月です。覚悟は決まりましたか？」
現れた死神に俺は慌てることなく頷いた。
「それは良かった。では数十年後に会いましょう」
「俺を殺すんじゃないのか？」
「ええ、貴方が仕事本位の生活を続けるならそうするつもりでした。しかし貴方は生活を変え、寿命を延ばした」
死神の言葉に呆然とする。
「これからは仕事は程々に、家族と体は大切にして下さい」