152. 妻の本心

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妻が買ってきてくれた新しいメンズシャンプーに変えて二週間。匂いも洗い心地もいいが、前から気にしている抜け毛は減らず薄毛が益々酷くなっていってる気がする。
ただ職場の彼女とは薄毛になり始めてからの交際だったので、
「まーくんは薄毛でもかっこいいよ♡」とあまり気にしてないのが幸いだ。
ある時終電に乗り損ねた俺は
「残業で今夜は職場に泊まる」と妻に嘘をつき、彼女との一夜を過ごした。
翌日の夜帰宅すると妻は『最近忙しくて大変ね』と気遣ってくれ良心がチクリとした。

寝不足と仕事でクタクタの俺は半ば朦朧としながらその夜シャンプーをいつもと同じ量出して頭髪につけ泡立てた…が、いくら揉んでも泡立たない…。時既に遅し、毛髪が見事にズルリと束となって俺の手に。

その時扉を開けた妻が脛毛用の脱毛クリームの箱をこちらに向け
「少しずつで勘弁してたのにあなたがお泊まりなんてするから。ケセラセラよ」
と嗤笑した。
ミステリー・推理
公開:18/12/15 15:38
更新:19/02/21 02:11
のりてるぴかさんへ 毛祭り ケセラセラ=なるようになる

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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