創造主よ、

この世界を七日で作ったならば、僕は何秒で作られたのだろうか。
ふと、そんなことを思った。
美形だとか天才だとかは、随分と手の込んだ作品なのだ。そして僕はきっと、量産された人間の中の一つにすぎない。
天才を作るのに労力を使い切った神は、効率化というものに気づき、これまでの手作業を辞めた。もっと多くの人間を作るには、こんなことはしていられない、と。それがいわば、産業革命だ。
けれど、創造主は神のみだ。
ラダイト運動は起きなかった。
その結果が、僕をはじめ、平凡な人間と、頂点に立つ人間との差だ。
もし仮に、革命もなく、全人類が良くできたものばかりなら、どうだっただろう。もっと文明は進み、技術革新は絶えなかったのだろうか。
それとも、その結果、想像もつかないようなおぞましい戦争により、ひたむきに破滅に陥って終うのだろうか。
僕は、どんな非凡な人間であれたのだろうか。
すべては、神のみぞ知る。