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ある朝、起き抜けに髪へ手櫛を通すと、なにか変な感触が指に伝ってきた。
髪の中になにかある。
そう思うような、指のあちこちになにかが当たる感覚だった。
私は、おそるおそるショートボブに切り揃えた髪の表面を掬い上げた。すると、内側の髪に混じるように数十本皮膚が細く伸び、その先に、円盤状に丸くなった皮膚がぶら下がっていたのだ。
その一センチほどの皮膚は真ん中がくぼんだ赤血球のような形で、触感は耳たぶくらいの柔らかさをしていた。長さは上の髪を被せば見えない程度だったけれど、その存在は異様で気持ちが悪く、見て見ぬふりもできない。
どうすればいいものかと頭を抱えかけて、また指に当たる奇妙な感触に、堪らず私は頭を振った。そのときだった。
ペンペンペン。
髪の中で物体同士がぶつかり合い、音をたてたのだ。
その音に、私はふいに郷愁にかられた。
ペンペンペン。
そうして日が暮れるまで、私は頭を振り続けた。
髪の中になにかある。
そう思うような、指のあちこちになにかが当たる感覚だった。
私は、おそるおそるショートボブに切り揃えた髪の表面を掬い上げた。すると、内側の髪に混じるように数十本皮膚が細く伸び、その先に、円盤状に丸くなった皮膚がぶら下がっていたのだ。
その一センチほどの皮膚は真ん中がくぼんだ赤血球のような形で、触感は耳たぶくらいの柔らかさをしていた。長さは上の髪を被せば見えない程度だったけれど、その存在は異様で気持ちが悪く、見て見ぬふりもできない。
どうすればいいものかと頭を抱えかけて、また指に当たる奇妙な感触に、堪らず私は頭を振った。そのときだった。
ペンペンペン。
髪の中で物体同士がぶつかり合い、音をたてたのだ。
その音に、私はふいに郷愁にかられた。
ペンペンペン。
そうして日が暮れるまで、私は頭を振り続けた。
その他
公開:18/12/15 08:54
髪の毛
夢日記
高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。
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