共鳴
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魔女狩りは都合の良い排除法だった。僕たち家族は東西南北に散った。家族とバラバラになった僕は、いつしか身寄りを無くした、同じ境遇の仲間と共に生活を始めた。1つ違うのは、僕以外は皆人間だった事だ。
僕は魔法使いだと皆に隠していた。たいていは皆でちょっとした音楽を奏で、歌い、日銭を得た。そうして町を渡り共に過ごすうち、僕らは互いの感情を音楽の中に見つけた。悲しい、楽しい、怒り、それは共鳴したのだ。生きるために一緒にいる僕たちは、いつの間にそれ以上に深く繋がっていた。今日は元気ないなとか、ちょっとしたことを気付くのに、人間も魔法使いも何も違いはなかった。
ある夜、寝ている皆を起こさぬように外に出た。川辺でタンポポを吹き、魔法で綿毛を白く光らせる。川に沿ってタンポポは飛んだ。家族と離れて1年、これは僕なりの祈りだった。先の事は分からない。まだ正体を明かせていない。でもここが、今僕の居場所なのだ。
僕は魔法使いだと皆に隠していた。たいていは皆でちょっとした音楽を奏で、歌い、日銭を得た。そうして町を渡り共に過ごすうち、僕らは互いの感情を音楽の中に見つけた。悲しい、楽しい、怒り、それは共鳴したのだ。生きるために一緒にいる僕たちは、いつの間にそれ以上に深く繋がっていた。今日は元気ないなとか、ちょっとしたことを気付くのに、人間も魔法使いも何も違いはなかった。
ある夜、寝ている皆を起こさぬように外に出た。川辺でタンポポを吹き、魔法で綿毛を白く光らせる。川に沿ってタンポポは飛んだ。家族と離れて1年、これは僕なりの祈りだった。先の事は分からない。まだ正体を明かせていない。でもここが、今僕の居場所なのだ。
公開:18/12/11 08:42
更新:20/11/11 23:03
更新:20/11/11 23:03
自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。
110.泡顔
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