ソラの五線譜

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紺色の空と白い雲が斑になった空を見上げた。夜なのに明るい。
イヤホンから流れてくる音が夜に溢れだし、空に五線譜を描く。(流星群?)明るいのや大きいのや小さいのや、降るように落ちてくる流れ星が五線譜に音符を描く。
あの4分音符は私だ。隣の2分休符は彼だろうか。母も妹も父も じいちゃんもばあちゃんもいる。10年来の友達も会社の女の子も、一度だけデートしたあの子も、出会ったけど別れてしまった人も、小学校の友達も、いつも行くコンビニの店員も、すれ違っただけの人も。この音を教えてくれた君も。
みんな繋がってる。星座みたいに、葉脈みたい、家族みたいに。それは細い線や太い線もあって、切れ切れのものもあるけれど、皆ひとつの五線譜の上でメロディを作ってる仲間だ。壮大な宇宙の歴史のオーケストラだ。
私は耳をすませる。弱く、段々大きく、新しい音が聴こえてくるよ。
五線譜の先には、君がいて新しい音がまた生まれる。
その他
公開:18/12/13 12:16

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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