ライトアップ試食

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私は食品売り場が苦手だ。
売り子のおばちゃんが苦手なのだ。
目が合うと呼び止められる。
それを無視すると、やはり心が痛む。
うっかりもらうと、罪悪感から欲しくもない商品を購入する羽目になる。マズくても。

「無人試食コーナー」なるものが設営されていた。
両手に何かをもち「受け取らない」の構えをしなくてもよい。
気に入らなければ買わなくてよい。色々好きなだけ試せる。

進むとレッドカーペットが敷かれていた。敷物に沿って歩くと、テーブルが用意されており、その後ろには赤い緞帳が垂らされていた。
ずっと試せなかったチーズを手に取ると、照明が暗転し、私にスポットライトがあたる。
どこからともなく、ドラムロールがなった。
私がチーズを口にした瞬間、ダンッ!
訪れる静寂と至福の瞬間。

レジに並ぶと4分割された防犯モニターが目に入った。
そのうちの1つに、無人試食を楽しむ私の姿がリピート再生されていた。
公開:18/12/13 23:40
更新:18/12/13 23:41
スクー

富田京子

400文字に収めることと、思いついたアイデアを形にするむずかしさに苦戦しております。
くすりと笑って頂けたら、幸いです。
よろしくお願いいたします。

画像をアップロードするのを失敗しまくりました_:(´ཀ`」 ∠):
いまだに、使いこなせておりません。
携帯を壊して、しばらくこれませんでした。
すみませんm(_ _)m

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