オブジェの真相

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幼なじみの光は、とてもモテる。
光が街中で声をかければ、大抵の女の子はついてきた。
光は光で、たくさんの人と繋がっていたいからといつもフリーだから、その分周りを囲む女の子も絶えなかった。

「実のところ、ルーターなんだよ」
光がこそっと俺に耳打ちしたのは、金曜日の昼休みだった。
「なにが?」
「ナンパだよ。俺はモバイルタイプを仕込んでるけど、お前も据え置きスポットなら絶対いけるよ」
「なんだそれ」
「とりあえず駅前のオブジェ行ってみろ。あれ、据え置きのルーターなんだ」

次の日、光に引っ張られて駅前に行ってみると、どこからか噂を聞きつけた男子でオブジェ前はごった返していた。
最高のナンパスポットらしいと広まったオブジェは、回線と女の子を奪い合うクラスの男子で大混雑してタイムアウトが続発。
結局女の子は隠れて見ていた光のもとへ集まって、オブジェ前には動きの悪い男子だけが残されたのだった。
その他
公開:18/12/13 22:40
Wi-Fiの遅いナンパ スクー

ゆた

高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。

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