無遠慮な白

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パパがブラックコーヒーにミルクを垂らす。
吸い込まれそうな闇に一滴の白が渦巻き広がる。白は問いかけることなく、無遠慮に闇を奪い混ざり合う。
僕はこの瞬間を見ると、気持ち悪くなる。

パパがコーヒーを口に含むとママが言う。
「お隣さん、隣町に引っ越したんだって」
「そうか」
「ねえ、私たちも」
「簡単に言うなよ。行くあてなんかあるもんか。ああ、お腹が痛くなった」
「お腹なんてないでしょ」
「あ、そうだった。ははは」
生前、マシンガンで撃たれたパパのお腹は穴だらけ。さっき飲んだコーヒーもダラダラとお腹から落ちてる。なんで飲むのかわからない。

と、いつもの団らんを楽しんでると、突如、目映い光が窓から射し込んだ。
地響きと共に念仏が家を包む。
奴らが来た。

「僕らが何したっていうんだ」

僕らは家を飛びだした。
平和なお化けの世界に無遠慮に迫る白装束の坊主たち。
僕は闇に染まり、白を憎んだ。
ホラー
公開:18/12/13 22:35
更新:18/12/14 07:55

イチフジ( 地球 )

マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。

とりあえず、100話と、お気に入りにはいる作品を作ることを目標にする

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