恐怖体験

「俺様は化け物だ！怖いだろう！」
「別に」
「何だと！恐れ知らずのお前なんて食ってしまうぞ！」
「好きにすればいい。だがな、これだけは言っておくぞ。俺はさっきまで大量のあぶら物を食わされていた。今、胸やけがしている。かなりムカムカしている。それでもお前は俺を食うというのか？」
「えっ…それはちょっと…」
「なら、その無駄にでかい図体を早くどけろ！イライラする！」
化け物の姿なら人間を怖がらせることが出来ると思ったのに怒られてしまった。逆に怖かった。
明日は別の姿で人間を怖がらせるとしよう。

「俺様は揚げ物だ！高カロリー高タンパクだ！怖いだろう！」
「美味しそう！」
「えっ！？」
「いただきます！」
「ちょっ！まっ！」
昨日の人間の反応から怖がりそうなものの姿になったのに何でこうなる！
頭を、腕を、ふくらはぎを食べられた。
化け物でもダメ。揚げ物でもダメ。
人間って分からない…コワい…