虚実に殺され、真実は不変を辿る

悟は、警視庁のコンピュータにアクセスし、侵入した。
僕達の目的は社会的、政治的、宗教的な主張を行うことである。
ジャーナリストは「報道の自由」を掲げて現地で取材をしているが、実際は、政治的な圧力により、情報を隠蔽され、殺害されたケースがほとんどである。
傍観されて救われてきた命と引き換えに、僕達の自由は政治という名の檻に閉じ込められてしまったのである。
日本国民の誰かがフランスの革命家ナポレオンのように紅いマントを翻して、政権を奪うことが出来たのなら、今、日本で起きている目に見えない真実を暴き、正せるのである。
僕達は、ハッキングという汚い手法を使い、あらゆるネットワークを駆使し、現在の日本の現状を隅々まで国民に伝えた。
私達は真実に殺され、虚実に守られていると・・・
国民はぽかんと口を開けた。
その背後に忍び寄る虚実の集団は、平和ぼけした国民の身包みを剥がすのであった。