ウソ

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マリさんは泥棒だ。
ある日、マリさんが膝を抱えて考え込んでいた。
「どうしたの?」
僕は声をかけた。
「ある男の人から嘘を盗んだんだ。そしたら…」
マリさんの視線が揺れて下に落ちた。
「その人、何にも喋れなくなった。嘘以外、話すことがないんだ」
僕は膝を抱えるマリさんの姿にいたたまれなくなった。
「その人もそのうち、本当の事を話せるようになるよ。マリさんみたいにさ」
口にして気がついた。
マリさんの言葉は、いつもマリさんそのものだ。
ファンタジー
公開:18/12/12 22:57

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