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うちは珈琲屋さんだ。
お父さんの職場に遊びにいくととてもいい匂いがする。
小学生のぼくはまだ苦くて珈琲を飲めないけど、この匂いは大好きだ。
「いま帰ったぞー」
ある日お父さんがうれしそうに赤い小さな袋をもって家に帰ってきた。
話しを聞くと仲間が送ってくれた珈琲豆が届いたらしい。
これを明日の朝飲むのがとても楽しみと上機嫌である。
次の日の朝、お父さんはベッドから起きてくることはなかった。
心筋梗塞だった。
昨日までは普通だったのに。訳も分からず泣いた。
あれから十数年、ぼくは珈琲屋さんを継いで今日もお店に立っている。
お父さんが楽しみにしていた赤い袋の珈琲豆はまだそのままだ。
いつかお父さんが飲みに帰ってくるような気がしてそっとしまってある。
「いま帰ったぞー」
お父さんの職場に遊びにいくととてもいい匂いがする。
小学生のぼくはまだ苦くて珈琲を飲めないけど、この匂いは大好きだ。
「いま帰ったぞー」
ある日お父さんがうれしそうに赤い小さな袋をもって家に帰ってきた。
話しを聞くと仲間が送ってくれた珈琲豆が届いたらしい。
これを明日の朝飲むのがとても楽しみと上機嫌である。
次の日の朝、お父さんはベッドから起きてくることはなかった。
心筋梗塞だった。
昨日までは普通だったのに。訳も分からず泣いた。
あれから十数年、ぼくは珈琲屋さんを継いで今日もお店に立っている。
お父さんが楽しみにしていた赤い袋の珈琲豆はまだそのままだ。
いつかお父さんが飲みに帰ってくるような気がしてそっとしまってある。
「いま帰ったぞー」
ミステリー・推理
公開:18/12/09 11:17
更新:18/12/09 16:10
更新:18/12/09 16:10
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