街頭インタビュー

『何故あなたたちは、そこに集まっているのですか？』
「何故と言われてもねぇ」
「うん、困るねぇ」
『まだ未練でも、おありなのですか？』
「未練はもうないねぇ」
「意外と清々しているのよ」
『月明かりと勘違いしているのでは？』
「俺たちゃ虫か！」
「虫と同じにされちゃあ、たまったもんじゃないねぇ」
『では集まっている理由を教えて下さい』
「何と言えば良いのかねぇ」
「おつかい、かなぁ？」
『おつかい、ですか？』
「俺たちも新参者でよくわかってねぇんだよ」
「とりあえず、これが必要なんだとさ」
『今、あなたたちのせいで大問題になっているのですよ？』
「知ったっこちゃねぇよ」
「あぁ。こっちも持って帰らないと怒られんだ」
『では今夜も？』
「だねぇ」
「そろそろ失礼するよ」

こうして、街頭インタビューを終えた幽霊たちが、街灯の明かりをまとめて持って帰ってしまった。

今夜もこの街は、真っ暗だ。