テーブルの木目
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僕がまだ小学生だったころ。
近所の空き家に忍び込む遊びが流行っていた。
今となってはそんなことをしてはいけないことくらい分かる。けれど当時の僕たちに、それを理解して我慢するだけの忍耐力は無かった。
それは友達が見つけた場所に忍び込んだ時だった。
廃工場のようだった。朽ちた屋根の隙間から屋内に光が差し込んでいて、壁一面を蔦が覆いつくしている。綺麗だな、なんて呑気なことを考えていた。
ワクワクしながら奥に進んでいくと、明らかに場違いなテーブルがぽつんと置いてあった。
木製のテーブル。表面はつやつやしていて、木目が鮮やかだった。
その不思議な雰囲気に惹かれて、ずっと眺めていた。
すると突然、その木目がぐにゃりとひしゃげた。まるで人間の顔が笑ったように見えた。
その瞬間、僕は意識を失い……
気づいたらこのテーブルの一部になってたんだよ。
木目はそんな風に話して、にやりと笑った。
近所の空き家に忍び込む遊びが流行っていた。
今となってはそんなことをしてはいけないことくらい分かる。けれど当時の僕たちに、それを理解して我慢するだけの忍耐力は無かった。
それは友達が見つけた場所に忍び込んだ時だった。
廃工場のようだった。朽ちた屋根の隙間から屋内に光が差し込んでいて、壁一面を蔦が覆いつくしている。綺麗だな、なんて呑気なことを考えていた。
ワクワクしながら奥に進んでいくと、明らかに場違いなテーブルがぽつんと置いてあった。
木製のテーブル。表面はつやつやしていて、木目が鮮やかだった。
その不思議な雰囲気に惹かれて、ずっと眺めていた。
すると突然、その木目がぐにゃりとひしゃげた。まるで人間の顔が笑ったように見えた。
その瞬間、僕は意識を失い……
気づいたらこのテーブルの一部になってたんだよ。
木目はそんな風に話して、にやりと笑った。
ホラー
公開:18/12/08 23:03
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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