猫の鳴き声
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私が結婚指輪をしたことで、調子を崩した若い患者がいた。どうやら私に好意を頂いていたようだ。ある日、診察で患者は言った。
「おかしな出来事がありました。私は猫を飼っているんですが、私が家に帰るといつもと違って玄関まで迎えに来ないんです。浴室から猫の鳴き声が聞こえてきたので『風呂場にいるんだな』と思い、声のする方へ向かいました。相変わらず鳴き声が聞こえてきます。案の定、浴室のドアが開いていました。入ろうとすると、後ろから猫の鳴き声がしたので、振り向くとそこには猫がいます。あれっ? と思っていると、また風呂場からニャアと聞こえるんです。そっと覗きました。そしたら、浴槽の中で青白い色の赤ちゃんが泣いていたんです。それは赤ちゃんの泣き声だったんです……」
「それは怖かったですね」
私はゾッとしたが、彼女はさらりといった。
「いいえ、ちっとも。だって、その子はあなたと私から産まれる予定だった子だもの」
「おかしな出来事がありました。私は猫を飼っているんですが、私が家に帰るといつもと違って玄関まで迎えに来ないんです。浴室から猫の鳴き声が聞こえてきたので『風呂場にいるんだな』と思い、声のする方へ向かいました。相変わらず鳴き声が聞こえてきます。案の定、浴室のドアが開いていました。入ろうとすると、後ろから猫の鳴き声がしたので、振り向くとそこには猫がいます。あれっ? と思っていると、また風呂場からニャアと聞こえるんです。そっと覗きました。そしたら、浴槽の中で青白い色の赤ちゃんが泣いていたんです。それは赤ちゃんの泣き声だったんです……」
「それは怖かったですね」
私はゾッとしたが、彼女はさらりといった。
「いいえ、ちっとも。だって、その子はあなたと私から産まれる予定だった子だもの」
ホラー
公開:18/12/08 09:10
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