命短し恋せよ己

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昔は恋をするのにも命懸けだった。
恋をすると胸が苦しくなる。痛みと共に愛おしい相手のことしか考えられなくなる。
これは一種の病だった。恋の病とは本当に実在したのだ。
昔はそれほどに恋をするのに必死だった。
命乞いって言葉があるだろう?あれは正確には命恋だったんだ。
その命を懸けてでも全うしたい恋がある。恋した相手に命を捧げる覚悟を持つ。それが命乞いであり命恋であった。
恋煩いを発症すると食事も喉を通らない。だから衰弱する。
常に相手のことを考え不注意になる。だから事故が多発した。
その結果、昔は恋に対して早々に決着をつけることにしたんだ。そうしないと命が危ないからね。
昔は結婚できる年齢が低かっただろう?あれは思春期を迎え、本当の恋を知った者から結婚できる制度だったんだ。

命短し恋せよ乙女。
命燃やせよ恋する乙男。
恋の病に耐性が出来てしまった今、この言葉ももう消える運命なのだろうか…
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公開:18/12/10 18:45

幸運な野良猫

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