誕生日おめでとう

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うちは妹と両親の四人家族。さわがしいながらも仲良く暮らしている。

明日は妹の誕生日。しかし前日からどことなく緊張感が漂っているのには理由がある。

うちの誕生日祝いは少し特殊で二番目におめでとうを伝えたひとがケーキを自腹で買ってくることになっているのだ。

駆け引きはすでに始まっている。

午前0時に言って一番を狙うというのが定石のようにも感じるが妹はまだ小学生。遅くても午後10:00には寝てしまう。

ぼくは部屋が隣りなことで優位に立とうと朝一番を狙って早めに寝ることにした。


ピピピピピピ


「朝だ!」

ぼくは隣の部屋に急いだ。


「奈緒子誕生日おめでとう」


そこにはすでに父の姿があった。

やられた。


母さんは・・・

すでに朝ごはんを作っているようだった。

もうすでにおめでとうを言っているのだろうか?

父は1番目?2番目?


今年も長い一日が始まった。
ミステリー・推理
公開:18/12/10 15:42

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