木箱

クリスマスには家族全員が一つずつプレゼントを用意してツリーの下に置くのが習慣になっている。
祖母と父、母、そして3人の子どもたち。
それぞれの個性が感じられる不揃いの6つの包みが積み重なった。

クリスマスの朝。
一家は、プレゼントの山に一つ箱が増えているのを見つけた。手のひらに乗る大きさの木箱は、持ち上げてみると少し重みがあった。
不思議がる家族の足元に猫がすり寄ってきた。春にうちにやってきたばかりで、この冬が初めてのクリスマス。
「なんだ、君も参加したいのか」
猫の分も追加した7つのくじを、それぞれが引く。
木箱は母親が引き当てた。針金で固定されていた蓋を開けた中には小さなガラスで装飾された小物入れが収まっていた。
猫の物になった紙袋を開くと、真ん中の娘が選んだ手袋が出てきた。雪の模様の編み込みに顔を擦り付けて、猫はゴロゴロと鳴いた。
「気に入ったみたい」娘が満足そうに微笑んだ。