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家に持ち帰った仕事に、一区切りをつけて、山田さんは台所に向かった。
もう深夜。小腹がすき、パンを焼いて食べようと思ったのだ。
冷蔵庫を開けバターを探す。普段、使っているバターはこの間、空になってしまった。しかし、奥に、小さなビンのバターがあった。山田さんの友人が、1年前にアフリカ旅行をした際に、現地で買ったお土産だ。
友人はこう言っていた。
「ちょっと変わった作り方のバターだそうだ。現地の人は、“早めに食べたほうがいい”って」
「変わった?」「動物が、原料だとか」
彼はそんな会話を思い出す。「すっかり忘れてた。1年前だけど、まだ大丈夫かな」
ビンの蓋を開けると、バターの表面には、いくつか穴が開いている。その穴を見つめていると、だんだん “虎の顔”のように見えてくる。
『数匹の虎がつながって、ぐるぐる回りバターになりました』 近頃はあまり聞かない、童話の一節を、山田さんは思い出していた。
もう深夜。小腹がすき、パンを焼いて食べようと思ったのだ。
冷蔵庫を開けバターを探す。普段、使っているバターはこの間、空になってしまった。しかし、奥に、小さなビンのバターがあった。山田さんの友人が、1年前にアフリカ旅行をした際に、現地で買ったお土産だ。
友人はこう言っていた。
「ちょっと変わった作り方のバターだそうだ。現地の人は、“早めに食べたほうがいい”って」
「変わった?」「動物が、原料だとか」
彼はそんな会話を思い出す。「すっかり忘れてた。1年前だけど、まだ大丈夫かな」
ビンの蓋を開けると、バターの表面には、いくつか穴が開いている。その穴を見つめていると、だんだん “虎の顔”のように見えてくる。
『数匹の虎がつながって、ぐるぐる回りバターになりました』 近頃はあまり聞かない、童話の一節を、山田さんは思い出していた。
ホラー
公開:18/12/09 15:01
更新:18/12/09 15:26
更新:18/12/09 15:26
なつかしい童話
大人の事情で読みづらい童話
雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。
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