卒業
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卒業式。もう私はJKではなくなった。日本で一番ちやほやされる人種、JK。その称号が私からなくなった。制服ともルーズソックスともお別れ。友達と離れるよりもそっちの方が悲しくて泣いた。みんな「うんうん、わかるよ。でもこれからも友達だからね」なんて慰めてくれるけれど、違う。あなたたちはどうでもいい。私のこと。私がJKではなくなってしまうこと。
翌朝、私は環状線の内回りに乗っていた。毎朝通学に使っていた電車。卒業したので制服は着られないけれど、ルーズソックスはOKでしょ。ってことで私服にルーズソックスを履いて乗った。昨日と同じ朝に思えた。けれど、違った。私には降りるべき駅がなかった。高校のある駅に着いたとき、一瞬降りようかと思った。その時、視界に在校生の姿が入った。彼女たちは間違いなくJKだ。しかし、私は…。私はルーズソックスを直すふりをしてしゃがんだ。
電車はいつまでも回り続けた。
翌朝、私は環状線の内回りに乗っていた。毎朝通学に使っていた電車。卒業したので制服は着られないけれど、ルーズソックスはOKでしょ。ってことで私服にルーズソックスを履いて乗った。昨日と同じ朝に思えた。けれど、違った。私には降りるべき駅がなかった。高校のある駅に着いたとき、一瞬降りようかと思った。その時、視界に在校生の姿が入った。彼女たちは間違いなくJKだ。しかし、私は…。私はルーズソックスを直すふりをしてしゃがんだ。
電車はいつまでも回り続けた。
青春
公開:18/12/07 07:31
内回りのルーズソックス
スクー
文章を書くのが大好きです。
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