プラスとマイナス
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「ああ、やっぱり。ここが緩んでいたんだ」
開いた蓋の中の状況を確認して、すぐに分かった。
内側で部品を固定していたねじ。プラスとマイナス両方を使っているが、プラスのねじが緩んでいたのだ。今にも抜け落ちそうな程ぐらぐらしているので、締め直してやる。すると。
「あ、不調だったのが治ったみたいです。ありがとうございます」
彼がここへ来たのには、ある理由があった。
「最近、事あるごとにマイナス思考になってしまって、いけませんね」
彼からこんな話をされるのは初めてで、私は心底驚いた。
「マイナス思考になってしまう……か」
彼の表情を注視しながら、独り言のように呟く。
「はい。どうやらそのようなんです。何がきっかけなのかは分からなくて」
ざっと見たところ、外見に変化は見られないが。
「ちょっと確認してみようか」
そう言って私は、彼の、人間であれば心臓がある場所の蓋をぱかりと開いた。
開いた蓋の中の状況を確認して、すぐに分かった。
内側で部品を固定していたねじ。プラスとマイナス両方を使っているが、プラスのねじが緩んでいたのだ。今にも抜け落ちそうな程ぐらぐらしているので、締め直してやる。すると。
「あ、不調だったのが治ったみたいです。ありがとうございます」
彼がここへ来たのには、ある理由があった。
「最近、事あるごとにマイナス思考になってしまって、いけませんね」
彼からこんな話をされるのは初めてで、私は心底驚いた。
「マイナス思考になってしまう……か」
彼の表情を注視しながら、独り言のように呟く。
「はい。どうやらそのようなんです。何がきっかけなのかは分からなくて」
ざっと見たところ、外見に変化は見られないが。
「ちょっと確認してみようか」
そう言って私は、彼の、人間であれば心臓がある場所の蓋をぱかりと開いた。
SF
公開:18/12/06 21:15
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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