赤ちゃんと、石鹸の香り
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石鹸の匂いが好きな者は多い。私もそうだ。
理由に『安心する』というのがよく挙がるけれど、何故そう思うのだろう?
そんな疑問を持った日、私は夢を見た。
ある女性が優しく微笑んでくる夢。彼女は……母だ。
私がこの世に生を受けたばかりの頃であろう若き母。その母の笑みに、私は石鹸の香りと同じ安らぎを抱いていた。
「あ、起きたみたい。パパお寝坊さんだね~」
寝覚めの最中、妻がその腕に抱える我が子へ言う。赤子である息子へ母親の笑みを向けて……。
子が生まれて知った事がある。
母という者は赤子を抱く時、清潔な掌で触れようと手を石鹸で洗ってから子を抱える事がままある。
もしかすると石鹸の匂いで安心するのは、その香りで母の抱擁による温もりを思い起しているからなのだろうか。
息子も石鹸の匂いを好きになるのかもしれない。
いつかの私と同じように彼もまた、その小さな体へ母の愛を一身に受けているのだから――
理由に『安心する』というのがよく挙がるけれど、何故そう思うのだろう?
そんな疑問を持った日、私は夢を見た。
ある女性が優しく微笑んでくる夢。彼女は……母だ。
私がこの世に生を受けたばかりの頃であろう若き母。その母の笑みに、私は石鹸の香りと同じ安らぎを抱いていた。
「あ、起きたみたい。パパお寝坊さんだね~」
寝覚めの最中、妻がその腕に抱える我が子へ言う。赤子である息子へ母親の笑みを向けて……。
子が生まれて知った事がある。
母という者は赤子を抱く時、清潔な掌で触れようと手を石鹸で洗ってから子を抱える事がままある。
もしかすると石鹸の匂いで安心するのは、その香りで母の抱擁による温もりを思い起しているからなのだろうか。
息子も石鹸の匂いを好きになるのかもしれない。
いつかの私と同じように彼もまた、その小さな体へ母の愛を一身に受けているのだから――
その他
公開:18/12/06 20:41
更新:18/12/30 22:03
更新:18/12/30 22:03
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