ぼくの父ちゃん世界一!

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ぼくの父ちゃん世界一!
島にいる岩より大きなトカゲも、海にいる山より大きな魚もパンチ一発で倒してしまう。おかげで毎日おいしいお肉を食べて、二人で楽しく暮らしていたよ。

ある日、遠くの空に大きな鳥のような影が見えた。
「あれなぁに父ちゃん?」
「船、やっと来たな」
「ふね?」
「父ちゃんにつかまりな」
ぼくがしがみつくと、父ちゃんはジャンプした。
びゅーーーん。
崖を越え、山を越え、大きな鳥の下までやってくると、父ちゃんは勢いをつけて今まで見たことのない大ジャンプをした。
どっびゅーーーーーん。
雲を突き抜け、みるみると大きな鳥に近づく。
大きな鳥のお尻に穴が空き、父ちゃんに似た男の姿が見えた。
「もう少しだ頑張れ!」
父ちゃんは最後の力を振りしぼり、ぼくをその男の人に渡した。
無茶なジャンプのせいで足の壊れた父ちゃんは、にこにこと手を振りながら落ちて行った。
「ありがとう、父ちゃん⋯⋯」
SF
公開:18/12/07 21:03
更新:18/12/07 21:16
家族

渋谷獏( 東京 )

(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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