金木犀の香り
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金木犀の香りをかぐと、とても懐かしい気持ちになるのは私だけじゃないはずだ。あの香りは昔を思い出させる作用でもあるのではないかと思う。特に思い出されるのは小学生の時の思い出だ。
放課後はよく校庭で遊んだ。どこからか「ふるさと」が聞こえてくると、そろそろ帰る時間だ。日が落ちるのは早く、赤い夕暮れの上から藍色がせまっている。みんなとバイバイした後、一人で住宅地を歩く。誰かの家の中からはおいしそうな夕食の匂いが漂い、おなかがすいたなあと思う。心地の良い疲労感と、今日の活躍を思い出してニヤニヤしてしまう。ふと、金木犀のあの香りがする。金木犀の下を通り過ぎるとすぐに消えてしまう。数秒程度ではあるが、心地よい香りに心を奪われる。そして、家に帰ると暖かい食事と暖かい家族が待っている……。
その全てを思い出さずとも、あの時に感じた「家族」のぬくもりは立ち現れる。私の中で金木犀は「家族」の花である。
放課後はよく校庭で遊んだ。どこからか「ふるさと」が聞こえてくると、そろそろ帰る時間だ。日が落ちるのは早く、赤い夕暮れの上から藍色がせまっている。みんなとバイバイした後、一人で住宅地を歩く。誰かの家の中からはおいしそうな夕食の匂いが漂い、おなかがすいたなあと思う。心地の良い疲労感と、今日の活躍を思い出してニヤニヤしてしまう。ふと、金木犀のあの香りがする。金木犀の下を通り過ぎるとすぐに消えてしまう。数秒程度ではあるが、心地よい香りに心を奪われる。そして、家に帰ると暖かい食事と暖かい家族が待っている……。
その全てを思い出さずとも、あの時に感じた「家族」のぬくもりは立ち現れる。私の中で金木犀は「家族」の花である。
青春
公開:18/12/07 20:07
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