バトン

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夕暮れ時──。
ようやく補習も終わり教室から出ると、長い廊下を走ってくる男の姿が見えた。男はおれの姿を見つけると安堵した様子で駆け寄り、目の前に倒れこんでしまった。
「おい、どうしたんだ!?」
ガリガリにやせ細っていたが、男は学校の制服を着ていた。
うちの生徒なのだろうか?
「こ、これを頼む⋯⋯」
差し出した物は、リレー走に使うバトンだった。
男はバトンを手渡すと、そのまま事切れてしまった。
「いったい、何だって言うんだよ!?」
救急車を呼びに行こうとその場を立ち上がると、薄暗い廊下の向こうから、また誰かの走ってくる姿が見えた。

徐々に鮮明になってくるその姿は、片手に大きな包丁を持ち、真っ赤な顔に恐ろしい牙と角を生やした鬼の形相をしていた。
「ば、化け物⋯⋯」
手に持ったバトンを捨てようとしたが、なぜか握った手を開くことが出来なかった。
おれはバトンを握りしめ、長い廊下を走り出した──。
ホラー
公開:18/12/05 09:58

渋谷獏( 東京にいるけっどカンサイジ〜ン♪ )

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