湯舟にのって

22
46

湯舟につかるとお湯が溢れた。
パパとママと入るお風呂は狭いけど大好き。
二人は今、喧嘩中。僕を挟んで知らんぷり。
もやもやのお風呂場。何も見えない。すると、湯煙の先から何かがきこえる。
泣き声だ。
人影が近づく。パパとママが赤ちゃんをお風呂にいれていた。まだ小さい僕だ。二人は笑っていた。
今度は楽しそうな声がする。
若いパパとママが背中を流しっこしていた。こっちの二人は、のぼせたみたいに真っ赤な顔。
数を数える声もする。
湯舟に肩までつかった男の子。隣は若いおじいちゃん。子供のパパだ。僕は水鉄砲でチビパパの顔に水をかけて、驚かせた。
もやもやが晴れると、いつものお風呂場だった。
湯舟からでると、三人で背中を流しっこした。
僕はママの背中を、ママはパパの背中をごしごし。
あれ?僕の背中を洗っているのは誰だ。振り向くと誰もいない。
そうか、わかった!
湯舟にのって、僕の子供がやってきたんだね。
ファンタジー
公開:18/12/05 09:12

そるとばたあ( 神奈川 )

★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!

★第19回坊っちゃん文学賞大賞『ジャイアントキリン群』

★2025年12月、2冊同時刊行の電子書籍
『3分間のまどろみ カプセルストーリー』(Gakken)に『恐竜バーガー』寄稿。

・カプセルストーリー(恐竜バーガー、『菊池

の選択』、六文字の返信ほか)
https://amzn.asia/d/8qmIuR7

・カプセルストーリー(特殊外来種ハンター、カンガルー・ノート、露の楽譜ほか) 
https://amzn.asia/d/iW14MdM

ショートショートの可能性と豊かさが詰まったアンソロジーですのでぜひ!
 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容