兄と僕の小さな思い出

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その日、僕たちは口元を黒いマスクで隠していた。兄がこれからしようとしている事に多少の疑問を抱きながらも、とりあえず行動を共にしていたのだ。
自動ドアを通り抜け、兄が一目散にレジへ向かった。
「おらおらぁ! 銀行強盗だ!」
「兄ちゃん! ここ、コンビニだよ!」
「うるせぇ! 気分だけでも銀行強盗なんだよ! とにかく金をこれに入るだけ入れろ!」
「それ豚の貯金箱じゃん! でっかい鞄は?」
「チャリの前カゴだ!」
「置いてきたの?」
「さっきからゴチャゴチャうるせぇな!」
「兄ちゃんに強盗なんて無理だって!」
「何だって? 撃たれたいのか?」
「その手に持ってるものって……」
「水鉄砲に決まってんだろ!」
そう言いながら兄は店員さんに、ピュピュピュッと水をかけまくった。

そんな僕たちは今、そのコンビニでアルバイトをしている。
「あの日の事は水に流してやるよ」
水をかけた店員さんが、今の店長だ。
青春
公開:18/12/04 21:25

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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